バズるは、今では、インターネットやSNSである話題が一気に広まり、多くの人が取り上げることを表す言い方です。とくに、短い時間に注目が集まって、たくさんの反応や拡散が起こる場面でよく使われます。
この言い方は、日本語の中で「バズ」という外来語に、動詞を作る「る」をつけてできたものです。形としては新しく見えますが、日本語では外来語や名詞から動詞を作ることがあり、その流れにのった言い方だと分かります。
もとの「バズ」は、英語の buzz から来ています。英語の buzz は、もともと蜂などが出す「ぶんぶん」という低い連続音を表す言葉でした。
ところが、この buzz は、音だけを表す言葉では終わりませんでした。人がざわざわ話す声の広がりや、うわさ話、さらに新しい商品や出来事について人びとの注目が集まることまで表すようになりました。
つまり、意味の流れをたどると、「ぶんぶん鳴る音」から「ざわめき」へ、「ざわめき」から「うわさや評判」へ、さらに「多くの人の注目が集まること」へと広がっていったわけです。日本語のバズるは、その最後の部分を受け取り、動詞として使いやすくした形だと考えると、意味のつながりがよく見えます。
日本語では、まず「バズ」という形が、評判や口コミの広がりを表す言葉として使われました。また、「バズマーケティング」という言い方も広まり、話題が人づてに広がることを利用する宣伝のしかたを指すようになりました。
そのうえで、日常の会話やネット上で使いやすい形として「バズる」が生まれたと考えられます。つまり、英語の buzz をそのまま借りたのではなく、日本語の中で使われていた「バズ」を土台にして、新しく動詞にした表現なのです。
古い例として確かめやすいものの一つに、2012年(平成24年・21世紀前半)の『いいね!がもらえる SNSでバズるテク』があります。書名そのものに「バズる」が使われているので、このころには、少なくともSNSの世界で通じる言い方になっていたことが分かります。
このころの使い方を見ると、バズるは、ただ人気があるというだけではありません。人から人へと話題が渡り、短いあいだに広く知られることに重みがあります。ですから、「長く愛される」ときよりも、「急に話題がふくらむ」ときに、いっそうこの言葉らしさが出ます。
表記は、ふつうカタカナの「バズる」が用いられます。これは外来語の部分を見えやすくしつつ、日本語の動詞としても読める形だからで、漢字を当てるよりも意味が伝わりやすい書き方です。
なお、この言葉はかなり新しいため、だれが最初に言い出したかを一人にしぼって言うのはむずかしいところがあります。ただ、英語の buzz にある「ざわめき」「うわさ」「注目」という意味が、日本語のネット文化の中で「一気に話題が広がる」という形にまとまったことは、はっきりしています。
バズるの由来をまとめると、英語 buzz の「ぶんぶん鳴る音」から始まり、「ざわめき」「評判」「注目」へと広がった意味が、日本語で「バズ」という形になり、そこへ「る」をつけてできた言い方です。音の言葉が、うわさの言葉になり、さらにネット時代の広がり方を表す言葉になったところに、この表現のおもしろさがあります。
主な参考文献
・『デジタル大辞泉』
・『精選版 日本国語大辞典』
・Oxford Advanced Learner’s Dictionary
・Merriam-Webster Dictionary
・『いいね!がもらえる SNSでバズるテク』




























































































