わたりにふね【渡りに船】の語源・由来
【意味】 必要なものがちょうど都合よく揃うこと。好都合なこと。 【語源・由来】 「法華経」の「薬王品(やくおうぼん)」にある表現で「子の母を得るは、渡りに船を得たるが如し」から出た言葉。子にとっての母の存在を、川の向こう…
【意味】 必要なものがちょうど都合よく揃うこと。好都合なこと。 【語源・由来】 「法華経」の「薬王品(やくおうぼん)」にある表現で「子の母を得るは、渡りに船を得たるが如し」から出た言葉。子にとっての母の存在を、川の向こう…
【意味】 必要以上の親切心。 【語源・由来】 仏教用語の「老婆心切」が語源。年をとった女性が子や孫をかわいがったり、余計な忠告をしたり、世話を焼きがちだったりするように、師が弟子をいつくしみ導くこと。また、そのような心遣…
【意味】 光沢のある青い宝石。 【語源・由来】 仏教の七宝の一つ。梵語vaiḍūryaの音写「吠瑠璃」の略。多く、青い色の宝石を指すとされる。
【意味】 同じ状態にとどまらず、移り変わること。 【語源・由来】 仏教語。六道・四生の迷いの生死を繰り返すこと。生まれ変わり死に変わって迷いの世界をさすらうこと。転じて、変化し続ける意になった。
【意味】 生死を繰り返すこと。 【語源・由来】 回転する車輪が何度も同じ場所に戻ってくるように、衆生が迷いの世界に生まれ変わり死に変わりすること。仏教の基本的な考え方。梵語のsaṃsāraに由来する語。
【意味】 義理がたいこと。実直なこと。 【語源・由来】 仏教では「りつぎ」と読み、悪を抑制するはたらきのあるものを指す。また、悪を防いで善を行うように導く戒律の意。転じて義理をかたく守る意になった。
【意味】 (野や山へ)遊びに行くこと。 【語源・由来】 禅宗では、晴れ晴れとした心境で、山水の景色を楽しみながら暮らすこと。また、遊山の「遊」は自由に歩きまわること、「山」は寺のことで、修行を終えたあと、他山(ほかの寺)…
【意味】 自分だけがすぐれているとうぬぼれること。 【語源・由来】 「天上天下唯我独尊」の略。この世で自分はもっとも尊い存在であるという意。釈迦が生まれた際、七歩歩き、右手で天を左手で地を指していったとされる言葉。この世…
【意味】 古代インドの鬼神。また、俗に恐ろしい女性のたとえ。 【語源・由来】 梵語yakṣaの音写。神聖な霊的存在で元は古代インドの神。仏教では、法を守る八部衆の一つ。毘沙門天の眷属で、北方の守護にあたる。また、外面似菩…
【意味】 ちょっと聞きかじっただけで知っているつもりになっている人。 【語源・由来】 禅宗で、まだ悟りきっていないのに悟ったかのようにふるまう人を野ぎつねにたとえたことば。
【意味】 ありえないことを想像すること。根拠のないことを信じること。 【語源・由来】 心の迷いによって起こる誤った考え。仏教では、不正な考えやみだらな考えは、すべて心の迷いによって生み出されるとされる。古くは「もうぞう」…
【意味】 非常に。むやみに。はなはだしく。 【語源・由来】 因果関係に支配されないもの。絶対に生滅変化しない真如や涅槃といった絶対的真理のこと。それを究極的なものと解したことから、程度のはなはだしい意が生じたと考えられる…
【意味】 とんでもない。 【語源・由来】 仏教語で、物事や生物の移り変わりを四段階に分けた四相(生相・住相・異相・滅相)の一つ。 四相では、事物がこの世に出現することを「生相」、存在・持続することを「住相」、変化すること…
【意味】 あの世。 【語源・由来】 死者の魂がたどって行く道(=途)。また、成仏できない魂の行きつくところ。閻魔王など多数の地獄の役人がいて、生前の罪を裁くといわれる。「冥途」とも書く。
【意味】 世の中が変わりやすく、はかないこと。 【語源・由来】 この世の中の一切のものは常に生滅流転 (しょうめつるてん)して、永遠不変のものはないということ。「無情」と書くと、「情愛のないこと」の意。
【意味】 無限にあること。いくら取ってもなくならないこと。 【語源・由来】 本来は仏教語で、尽きることのない財宝を納めた蔵のこと。仏の無限の功徳のたとえ。もっと世俗の世界になると、庶民のための金融機関、「無尽講(頼母子講…
【意味】 残酷なさま。また、気の毒なさま。 【語源・由来】 本来は仏教語で、「無慙」「無慚」と書く。罪を犯しても恥じないことをいう。羞恥心のないこと。「慙」は恥ずかしく思う意。対義語は「慚」で、自分の犯した罪を恥じること…
【意味】 純粋なさま。けがれないさま。 【語源・由来】 煩悩のないこと。心を汚すもの(=垢)がなく、清浄であること。
【意味】 まだ来ていないとき。将来。 【語源・由来】 仏教では、死後の世界のこと。三世(前世、現世、来世)のひとつ。「未来」は未だ来たらざる世。つまり、次の世のことで来世。
【意味】 ある立場で受ける恩恵。 【語源・由来】 本来は、善業によって受ける利益。これは、仏や菩薩が、知らず知らずの間に与える利益で、「冥加の利益(みょうがのりやく)」といった。転じて、人がおのずと受ける恩恵の意になった…
【意味】 今までにない非常に珍しいこと。 【語源・由来】 もとは、「びっくりした」の意の梵語「adbhuta」が漢訳された仏教語。仏の功徳の尊さや神秘なことを賛嘆した言葉であった。「未だ曾て有らざる(いまだかつてあらざる…
【意味】 細かいちり。また、非常に細かいもの。 【語源・由来】 仏教で、非常に小さいものを表す単位。物質を分割し、これ以上細分できない大きさを極微(ごくみ)といい、一つの極微を中心に、上下四方の六方から極微が結合したもの…
【意味】 くまなく。全体に。 【語源・由来】 「満遍」は仏教語で、平均・平等の意。転じて、残るところなく行き渡ることを表すようになった。「満遍なく」の「なく」は否定の活用語尾ではなく、「満遍ない」の連用形。「万遍なく」と…
【意味】 この世の諸相を描いたもの。 【語源・由来】 梵語maṇḍalaの音写。本質を有するものの意。本来は悟りを得るための「修行道場」をいった。また、密教では、経典にもとづき、主尊を中心に諸仏諸尊の集会(しゅうえ)する…
【意味】 陰茎。男根。 【語源・由来】 梵語māraの音写。人の善事を妨げる悪神、また悟りの妨げとなる煩悩をいう。陰茎の意はここから転じたものとも、排泄する意の「まる」の交替形ともいう。もとは僧の用いた隠語。
【意味】 極めて不思議なこと。 【語源・由来】 「摩訶」は、梵語mahaの音写で、大きいこと、すぐれていることの意。他の語について、「摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみったしんぎょう)」や「摩訶曼陀羅華(まかまんだ…
【意味】 心を悩ますもの。 【語源・由来】 「煩悩」とは、本来は仏教語で、何かに心がひどく煩わされて心の平穏が保てないこと。すべての欲望や怒り、執着などを基本とする。
【意味】 でたらめ。うそ。また、大言を吐くこと。 【語源・由来】 仏教では「ほうら」と読み、仏の説法のさかんなことをいう。もともと、「法螺」は法螺貝の意味で、吹くと大きな音がする巻き貝でつくった笛の一種。山伏が深山でお互…
【意味】 死後の冥福。 【語源・由来】 菩提は梵語bodhiの音写。「道・智・覚」と訳され、煩悩を断って得た悟りをいう。また、涅槃に至ること。人は死ぬと仏になるという信仰から、死後の冥福という意味を持つようになった。
【意味】 ある目的を達成するために利用する便宜上の手段。 【語源・由来】 「方便」とはもとは仏教語で、衆生を救い、真の教えへと導くための便宜的な手段のこと。「嘘も方便」という成句は江戸時代から見られ、法華経の「三車火宅(…
【意味】 ①僧のこと。 ②(ほかの言葉について)そのような人のこと。 【語源・由来】 本来は、大寺院の坊(僧の住居)の主、主僧をいうことば。転じて、僧の俗称。また、僧のように頭に毛がないこと(人)。男の子に親しみを込めて…
【意味】 物事の道理をわきまえること。 【語源・由来】 仏教語で、梵語vikalapaの漢訳。「思惟(しゆい)」とも訳す。仏教では本来「知識に頼った理解」のことをいい、煩悩にとらわれている人間の誤った認識をもいう。
【意味】 仏事の際、僧に渡す謝礼。 【語源・由来】 梵語Dānaの訳語で、施しの意。音訳した語は旦那・檀那となる。本来は、涅槃の境地に到達するために、菩薩が実践すべき六種類の修行、六波羅蜜(ろくはらみつ)の一つで、金品を…
【意味】 家などを建てること。 【語源・由来】 功徳をひろく請い願うことをいい、禅宗の寺で、修行僧が総出で労働に従事することをいった。転じて、室町時代から江戸時代には、禁城の際の大掛かりな土木工事のことを意味した。
【意味】 思考力や判断力の及ばないこと。原因や理由がわからいこと。 【語源・由来】 仏教語の「不可思議(ふかしぎ)」(思議すべからず)の略。想像することも、ことばで言い表すことも思いはかることもできないこと。つまり、仏の…
【意味】 家計が非常に苦しいこと。 【語源・由来】 仏教語で地獄にある火の燃え盛る車を「火車(かしゃ)」といい、それを訓読みした語。極卒の鬼が生前に悪行を働いた者を乗せて地獄へ運び、責め苦しめるといわれる。これは大変な苦…
【意味】 運に恵まれないこと。みじめなこと。 【語源・由来】 仏教語で「非業」は前世からの業(罪の報い)によらないこと。とくに、前世から定められた寿命ではなく、突然の災難で死ぬことをいう。
【意味】 僧のこと。 【語源・由来】 比丘は男子で梵語bhiksuの、比丘尼は女子で梵語bhikSuniiの音写。ともに、出家して戒を受けた正式な僧のこと。室町時代から江戸時代ころにかけて、尼僧の姿で諸国を巡り歩いた旅芸…
【意味】 年に二回、春分と秋分の日をはさんだ七日間。また、その間に行われる仏事。彼岸会。 【語源・由来】 梵語pāramitāの漢訳「到彼岸(とうひがん)」の略。悟りに至る修行、また、悟りの境地をいう。迷い煩悩に苦しむわ…
【意味】 愚かなこと。無益なこと。 【語源・由来】 梵語で「無知」や「迷妄」を意味する「baka」「moha」の音写、「莫迦(ばくか)」「募何(ぼか)」が転じたとされる。日本では、鎌倉時代末期頃から「馬鹿」の用例があり、…
【意味】 ①商店の店先などの垂らしてある布。 ②店の信用や格式。 【語源・由来】 本来は「のんれん(「暖」は唐音で「のん」)」であったが、転じて「のうれん」となり、「のれん」に変化した。もとは、禅宗の寺で寒さを防ぐために…
【意味】 死ぬこと。 【語源・由来】 梵語nirvāṇaの音写。「涅槃」には、元々は、吹き消すことの意で、迷いで燃え盛る火が消え、一切の迷いを超越した悟りの境地のことをいう。また、釈迦や高僧の死(=入滅)を指してもいう。
【意味】 失敗したときなどに発することば。しまった。大変だ。 【語源・由来】 仏教語の「南無三宝(なむさんぽう)」の略。「南無」は梵語で「帰依する」「信じる」を意味する「namas」「namo」から。「三宝」は、仏、法、…
【意味】 他に知られないように秘密にすること。 【語源・由来】 元は、「内証(ないしょう)」で、自らの心のうちで真理を悟ること。「自内相」ともいう。心のうちは、外からうかがい知ることができないことから、秘密にすること、内…
【意味】 ①趣味にふけること。また、その趣味。 ②酒食や博打などにふけること。 【語源・由来】 元来は、仏道修行をして得た「悟りの楽しみ」をいうことば。「楽」は願うという意で用いられ、道を求めようとする願いを意味する場合…
【意味】 同じことの繰り返しで、ちっとも先へ進まないこと。 【語源・由来】 「堂」は仏をまつる建物のことで、「堂々巡り」は、祈願のために社寺の堂のまわりを何回もまわること。国会の本会議の採決で、演壇上の投票箱に投票する方…
【意味】 仕事などに用いる器具。また、日常生活に使う身の回りの品。 【語源・由来】 元来は「仏道の具」のことで、「三衣一鉢」と呼ばれる仏道修行のための衣や鉢、錫杖(しゃくじょう)など、六物(ろくもつ)といわれる必需品を指…
【意味】 人を嫌って排斥すること。 【語源・由来】 仏家で行われた「弾指(だんし)」という風習に由来する。「弾指」とは、親指の腹に曲げた人差し指の爪を当てて強く弾き、音を出すことで「許諾」「歓喜」「警告」「告知」などの意…
【意味】 大金持ち。 【語源・由来】 団体・組織の長である富豪、または地位・徳の高い人をいう梵語の漢訳から。彼らは、仏教の擁護者でもあった。
【意味】 長々としゃべり続けること。 【語源・由来】 仏菩薩の「三十二相」のひとつである「広長舌」が転じて、「長広舌」になったという。広長舌はおおきな舌の意。仏の舌は、のばすと髪の際や耳にまで達するといわれ、嘘偽りのない…
【意味】 道理などを判断し、仕事を上手に処理する心のはたらき。 【語源・由来】 仏教では「智慧」と書き、煩悩を去って悟りを開く精神の力をいう。「智」は的確な判断を下し、心の迷いを断つこと。「慧」は道理を選び分けること。「…
【意味】 死に際。死に際の苦しみ。 【語源・由来】 「末魔」は、梵語marmanの音写。身体内にある特殊な急所の意。別名「死節・死穴」とも呼ぶ。何かがこれに触れると激しい痛みを起こし、必ず死ぬとされる。これを「断つ」こと…
【意味】 ①自分の夫、または他人の夫をいうことば。 ②店側から客を呼ぶ言葉。 【語源・由来】 「檀那」とも書く。梵語で「施し・布施」を意味するdāna、または「施す・与える」という意味のdānamの音写とされる。また、寺…
【意味】 火葬。 【語源・由来】 梵語jhāpetiを音写したもの。死体を焼き、残った骨を納める葬法を指す。『続日本紀』によると、日本で最初に火葬された人は僧の道昭で、七〇〇年(文武天皇四年)のことであるとされる。
【意味】 多数の人々。民衆。 【語源・由来】 本来は仏教語で「だいしゅ」「だいず」と読み、大勢の仲間、とくに、仏教に帰依した僧の集団を指した。天台宗では役職につかない修行僧を「大衆(だいしゅ)」と呼ぶようになってから、天…
【意味】 そのもののもつ本当の面白さ。 【語源・由来】 元仏教用語で、「醍醐」とは牛や羊の乳を精製した濃厚で甘みのある液体のこと。仏教では乳を精製する過程の五段階を「五味」といい、「乳(にゅう)」「酪(らく)」「生酥(し…
【意味】 いかに。どうだ。 【語源・由来】 中国唐代・宋代の口語から。もと、禅問答のとき、修行僧とその師が行う問答に用いられる間投詞。相手の返事を促すのに用いた。
【意味】 達者なこと。無事。 【語源・由来】 「息」は、やめる意。仏教語で、仏の力で罪障(往生の妨げになる罪)や一切の災害を防ぎとめることをいった。「無病息災」をもじって「一病息災」(持病が一つくらいある方が、健康に気を…
【意味】 顔つき。顔かたち。 【語源・由来】 仏教用語で、仏の身体にそなわる美しく立派な身体的特徴である「三十二相八十種好」を略した言葉。後に、顔つきや表情の意に転じたもの。
【意味】 何を言っているのか分からない問答。また、かみ合わない問答。 【語源・由来】 禅宗で、修行僧が疑問を投げかけ、師がこれに答える一連の問答のこと。悟りをひらくために、禅宗の僧が行う修行法の一つ。一般の人には、多く何…
【意味】 一つのことに心を集中すること。 【語源・由来】 仏教では一つのことを念じること。とくに、浄土宗で、阿弥陀仏名を唱えること。
【意味】 非常に短い時間。一瞬。 【語源・由来】 梵語ksanaの音写で、時間の最小単位を意味する。一説によれば、指を一はじきする間に六十五刹那あるとする。また、七十五分の一秒を「一刹那」とする説もある。「刹那主義」は、…
【意味】 便所のこと。かわや。 【語源・由来】 諸説あるが、禅寺で便所を指す「西浄」(せいちん)の転とする説が有力。古くは。東にある「東浄(とうちん)」または「東司(とうず))」(どちらも便所の意)に対していった。また「…
【意味】 ①命あるものを殺すこと。 ②むごいさま。 【語源・由来】 仏教では「十悪」の一つ。最大の罪悪とされ、僧にも俗人にもこれを禁じている。
【意味】 世渡りの才能。 【語源・由来】 元は仏教語。世俗に生きる凡夫の知恵のことをいった。のち、複合語の「世知賢い」「世知辛い」なども含め、計算高い意で使われるようになった。現在、「世知辛い」は「世知辛い世の中」のよう…
【意味】 ①世の中。また、世の人々。 ②交際の範囲。 【語源・由来】 本来は仏教語で、生き物すべてを「有情世間」、その生き物が暮らす生活環境を「器世間(きせけん)」といい、これらをあわせて「世間」という。また、聖人に達し…
【意味】 大きくて何でもはいるような布地の袋。 【語源・由来】 「頭陀(ずだ)」は、衣食住に関する欲を払いのける修行のこと。「捨てる」「落とす」を意味する梵語「Dhuta」の音訳。その頭陀を行う僧が経文や衣服などを入れ、…
【意味】 心からありがたいと思うこと。 【語源・由来】 仏を信じ、他人の善行を見て、歓喜の心を生じ、ともに喜ぶこと。それが転じて、大喜びをする意になった。
【意味】 出家したばかりの人。 【語源・由来】 「しんほつい」の転。新たに発意する、悟りを求める心を起こすこと。
【意味】 つまるところ。要するに。 【語源・由来】 「詮ずる所」を訓読した語で、結局のところ、色々と考えをめぐらしたところのものを意味する。本来は仏教用語で、経文の文句によって表される道理。内容を表すことばや文字に対し、…
【意味】 一心に取り組むこと。懸命に努力すること。 【語源・由来】 梵語vīryaの意訳語。ひたすら仏道修行に励むこと。また、一定期間、行為や飲食などを制限して身を清めること。肉や魚を用いない「精進料理」は仏道に専念する…
【意味】 激しく悲惨な争い。 【語源・由来】 梵語「asura」の音写。「修羅」は「阿修羅」の略。阿修羅はインドの鬼神。仏教に取り込まれ、仏法の守護神になった。嫉妬心や猜疑心が強く、戦いを好むとされる。そうした性質から、…
【意味】 高い地位につくこと。世間で名が知られるようになること。 【意味】 本来、衆生を救うために、仏が仮の姿でこの世にあらわれる意。また、「出世間」で、世を捨てて仏道に入ることを意味した。公卿の後押しを得て寺の住職にな…
【意味】 白い米粒。 【語源・由来】 梵語sariraの音写。遺骨。とくに、小豆大の粒状とされた仏陀の遺骨を指す。仏陀の死後、特別な信仰の対象となって各地に広まり、多くの寺に仏舎利を安置した塔(=舎利塔)が置かれた。ただ…
【意味】 一般の人が暮らす自由な世界。 【語源・由来】 娑婆は仏教から出た言葉で、「忍耐」を意味する梵語sahāの音写。煩悩から逃れられない衆生が、苦しみながらも生きる世界。つまりこの世のこと。軍隊や刑務所などの束縛され…
【意味】 なさけ。あわれみ。 【語源・由来】 仏や菩薩の衆生に対する慈しみとあわれみから。「慈」は楽を与えること。「悲」は苦を取り除くこと(抜苦与楽)。
【意味】 金属にガラス質の釉薬を焼き付ける工芸技法。七宝焼。 【語源・由来】 「しちほう」とも読み、仏教で貴重とされる七種の宝石のこと。「無量寿経」では金・銀・瑠璃・玻璃・蝦蛄・珊瑚・瑪瑙の七種をいうが、経典によって異な…
【意味】 すぐさま仕返しをすること。 【語源・由来】 「竹篦」は元来「しっぺい」と読んで、禅宗で用いる竹の棒のこと。座禅の際に雑念のあるもの、居眠りするものをこれで打って戒める。仕返しの意の「竹篦返し」は、自分を竹篦で打…
【意味】 内部からわざわいを起こす人。恩を仇で返す人。 【語源・由来】 「梵網経」の下巻にあることば。獅子の体内に寄生している虫が、その獅子の肉を食い、獅子を死に至らせるということから。仏教では、仏教徒でありながら、仏教…
【意味】 あることに熱中する。心のままに行う。 【語源・由来】 もとは仏教語で、心を一つのことに集中させた状態の意。梵語のsamādhiの音写。修行の際に、ある一つの対象に対して、まっすぐ平等に働き、他の対象に気が移った…
【意味】 冥土への途中にあるという河。 【語源・由来】 三途の川には流れの速度が異なる三つの瀬があり、渡る場所は生前の業(ごう)によって決まるとされる。「善人は橋」「軽罪の者は浅瀬」「重罪の者は流れの速い深み」を渡ること…
【意味】 過去の過ちなどを人に打ち明けて詫びること。 【語源・由来】 古くは「さんげ」。仏教では現在も「さんげ」と読む。梵語「kşama」の音写「懺摩(さんま)」の「懺」と、その漢訳「悔」との合成漢語。過去に犯した罪を仏…
【意味】 戦死すること。 【語源・由来】 本来は、仏の供養にするために花をまくこと。とくに、法会の際の声明を唱えながら蓮の花弁の形をした紙をまき散らすこと。戦死の意は、これを誤って、「花と散る」と解したとから。
【意味】 (打消しの語を伴って)絶対に。断じて。 【語源・由来】 仏教では、大地は「風輪」「水輪」「金輪」の三つの層によって支えられているとする。「金輪」は最上層で大地のすぐ下。「際」は果ての意で金輪の底。つまり、大地の…
【意味】 とんでもない。もってのほか。 【語源・由来】 言語道断は元来仏教語で、仏教における根本的な真理が、奥深くて言葉で説明しきれないことを意味する。そこから、「とんでもない」などの意が生じた。
【意味】 特質などを具体的に表しているものや人。 【語源・由来】 仏教語で、仏や菩薩が衆生を救うために仮の姿でこの世に現れること、また、その姿のことをいう。そこから転じたもの。「権現」も同義。
【意味】 神仏のさずける恵み。 【語源・由来】 「利益(りやく)」は仏教語で、他のためになることを意味し、仏や菩薩が衆生に恵みを与えること。また、その恵みのこと。古くは、益になることの意でも「りやく」といったが、鎌倉・室…
【意味】 高山で、日の出や日の入りのときに見える現象。ブロッケン現象。 【語源・由来】 浄土教で、臨終の際に、極楽浄土へ導くため阿弥陀仏や諸菩薩 (ぼさつ) が紫雲に乗って迎えに来ること。迎接 (ごうしょう)ともいう。山…
【意味】 僧が食べ物などの布施を求めながら歩くこと。托鉢。 【語源・由来】 僧は門口に立って在家から「食を乞う」ことによって生活手段とすることから。修行僧は自活することを禁じられ、最低限の食物をもらい受けた。「乞食」それ…
【意味】 人に頼みごとをするときに用いることば。 【語源・由来】 「後生」は、後世・来世・のちの世のこと。現在の生を「今生(こんじょう)」というのに対して、死後ふたたび生まれることをいう。「後生大事」はもともと、「来世の…
【意味】 ①在家で座禅の修行をする人。 ②性格を示すような語について、そういう性格の人。 【語源・由来】 俗世間にいたまま出家をせずに仏門に帰依した男子をいう。優婆塞の敬称。その意味をひいて、戒名の末尾につける敬称・尊称…
【意味】 ①うそ。 ②おろかなこと 【語源・由来】 「虚仮」は、仏教語。「虚」は「虚妄(きょもう)」「偽り(いつわり)」を意味し、「仮」は「真」や「実」などに対して実体のないことを意味する。心中と外見が異なること。転じて…
【意味】 死者の霊前に供える金銭。 【語源・由来】 元来は、「香奠」と書く。「奠」はすすめる意で、仏前に供える香をいう。「典」は物を買い取る意で「香典」と書くと香の代わりに贈る金銭のことになる。また、葬儀などにかかった費…
【意味】 ①人の道から外れた行いをする人。 ②釣りで目的以外の獲物。 【語源・由来】 仏教のことを仏教語で「内道(ないどう)」と言うことから、仏教以外の教えを信じる道という意味で「外道」と言うようになったもの。またそれを…
【意味】 苦悩の世界から抜け出すこと。 【語源・由来】 束縛から自由になる意の梵語vimukti, vimokṣaなどの訳。煩悩 の束縛から解き放たれて、自由の境地に到達すること。悟ること。涅槃 (ねはん) 。
【意味】 僧の法衣の一つ。肩から掛ける長方形の布。 【語源・由来】 梵語kasṣayaの音写。「濁」という意で、青・黄・赤・白・黒の正色を避けて濁った色を用いたことから。袈裟のように一方の肩から斜めに物をかけることを「袈…
【意味】 不思議で納得のいかないこと。わけが分からずいぶかるようす。 【語源・由来】 仏教で、仏や菩薩が衆生を救うために姿を変えてこの世に現れることを「化現(けげん)」といい、それが不思議なことであることから。あやしむ意…
【意味】 真っ赤な色。炎の色を形容することば。 【語源・由来】 紅蓮華、つまり真っ赤な蓮の華のこと。また、八寒地獄の第七・紅蓮地獄のこと。紅蓮地獄では、あまりの寒さのために皮膚が裂け、血が流れて紅蓮華のようになるという。…
【意味】 仏や死者の霊に供え物をして冥福を祈ること。 【語源・由来】 梵語のpūjanāの訳語で、尊敬する、崇拝するの意。本来は、奉仕し尊敬心をもって仕えることをいったが、礼拝を意味する言葉になった。また、供養は法会を営…
【意味】 神仏のご利益。また、よい行い。 【語源・由来】 本来の意味は神仏の果報を得られるような善行をいう。たとえば、断食・祈禱・喜捨・造仏・写経など。一般には、神仏からいただくご利益だけをいったが、そこから広く「よい行…