【意味】
①道理にかなわない言葉。
②戯れにいう言葉。ざれごと。
③科白を主体とする劇。歌舞中心の能・踊などに対する。例外に壬生(みぶ)狂言のような無言劇もある。
ア.能狂言。猿楽の笑いの要素を洗練した科白劇。「おかし」とも。鎌倉・室町時代に主要な芸能となり、能とともに一日の番組に組み入れて演ぜられた。江戸初期に大蔵流・鷺流・和泉流が確立。
イ.歌舞伎狂言。歌舞喜劇の演目。また、劇そのもの。本来は初期の歌舞伎踊に対して劇的な演目を指した。
④うそのことを仕組んで人をだます行為。
【語源・由来】
「狂言」は、元々は、「道理に合わない言葉」を意味する仏教用語の「狂言綺語」から。その後、「ざれごと」「うそのことを仕組んで人をだます行為」の意になり、その頃はやっていた猿楽の滑稽な物まね芸を指す言葉として「狂言」が用いられるようになった。