「就中」という言葉は、中でも、あるいはとりわけという意味を持ちます。
この語の起源は、漢文に由来します。
漢文で「とりわけ」という意味を表すときに使われる「就中」という表現を、日本語の読み方、訓読みで読むと「なかにつく」となります。
この「なかにつく」が時間とともに「なかんづく」という形に変化しました。
さらに、日本語の音の変化の一環として、「づ」と「ず」の発音が混同されるようになったことから、「なかんずく」という現在の形になりました。
また、過去の文献には「なかについて」という形も確認されており、これと「なかにつく」のどちらが先に使われるようになったのかははっきりとしていません。
しかし、「なかにつく」という表現は平安時代の文献にも見られることが知られています。
簡潔に言うと、「就中」は漢文の「とりわけ」の意味から、日本語の訓読みとしての変遷を経て、現在の「なかんずく」という形になったと考えられます。
なかんずく【就中】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「就中」という言葉の起源や背景、意味をカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
---|---|
言葉 | 就中 |
基本的な意味 | 中でも、あるいはとりわけ |
語源 | 漢文の「とりわけ」という意味の表現 |
訓読みの変遷1 | 漢文の「就中」を訓読みで「なかにつく」と読む |
訓読みの変遷2 | 「なかにつく」が「なかんづく」に変化 |
訓読みの変遷3 | 「なかんづく」が「なかんずく」に変化 |
歴史的な確認 | 「なかにつく」の表現は平安時代の文献にも確認される |
結論 | 「就中」は漢文からの訓読みの変遷を経て、「なかんずく」という形になった |