「画竜点睛を欠く」という言葉は、何かがほぼ完成しているものの、最後の重要な仕上げが欠けている状態を表します。
この表現は、中国の歴史的な故事に由来しています。
具体的には、南朝梁の時代に活動した絵師、張僧繇(ちょうそうよう)が、安楽寺の壁に竜の絵を描いたという話からきています。
彼はこの竜の絵に最後の仕上げとして「睛」、つまり瞳(ひとみ)を入れずに完成させました。
その理由は、瞳を描き入れるとその竜が実際に飛び去ってしまうと考えたからです。
当然、多くの人々はそのようなことが起こるとは信じられなかった。
そこで、張僧繇は瞳を描き入れると、伝説によれば、竜は本当に天に昇ってしまったとされています。
この故事から、「画竜点睛を欠く」という表現は、何かが完成に近いものの、その最後の重要な部分、瞳のようなものが欠けている状態を指すようになりました。
この言葉は、何事も最後の仕上げが大切であるという教訓を含んでいます。
【画竜点睛を欠く】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、語源由来や重要ポイントをカンタンにまとめます。
重要ポイント | 説明 |
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言葉の意味 | 「画竜点睛を欠く」は、何かがほぼ完成しているが、最後の重要な仕上げが欠けている状態を指す。 |
由来 | この表現は、中国の南朝梁の時代の絵師、張僧繇が安楽寺の壁に描いた竜の絵の故事に由来する。 |
重要な仕上げ | 張僧繇は竜の瞳を最後に描かずに絵を完成させた。その理由は、瞳を描くと竜が飛び去ってしまうと考えたから。 |
伝説 | 張僧繇が瞳を描き入れると、竜は実際に天に昇ったとされる。 |
教訓 | この言葉は、「最後の仕上げが大切である」という教訓を含む。 |