あま【尼】の語源・由来

「尼」は、仏教において仏門に入った女性、すなわち尼僧を指す言葉です。

この言葉の語源には複数の説がありますが、一つは梵語の「ambaa」から派生したとされています。

この「ambaa」は母親や女性を指す概念と関連しており、尼僧が仏教の修行や教えに専念する「母性的な」存在であるという点につながっていると考えられます。

また、「尼」という漢字自体は、「比丘尼（びくに）」という仏教用語から取られたとされています。

比丘尼は、仏教において特に厳格な戒律を持つ女性僧侶を指し、その最後の一字が「尼」であるため、この字が一般的な尼僧を指す言葉として使われるようになりました。

さらに、平安時代には、女性が出家する際に髪を肩のあたりで切りそろえる髪型がありました。

この髪型は「尼削ぎ」とも呼ばれ、出家女性がこの特定の髪型を持つことからも「尼」という言葉が使われるようになったと言われています。

総じて、「尼」は仏教文化や歴史、さらには女性の社会的役割と密接に関連している多層的な語源を持っています。

それぞれの語源や由来が、尼僧が持つ多面的な性質や社会的な意味を豊かにしています。

あま【尼】の意味・語源由来！表で簡単まとめ

表を使って、「尼」という言葉の多面的な語源とそれが持つ社会的・文化的意味をカンタンにまとめます。

ポイント	説明・背景
梵語の語源	「尼」の一つの語源は梵語の「ambaa」から派生したとされる。この言葉は母親や女性を指し、尼僧が「母性的な」存在であるとの考えにつながる。
漢字の由来	「尼」は仏教用語「比丘尼（びくに）」から取られたとされる。比丘尼は厳格な戒律を持つ女性僧侶を指し、その最後の一字が「尼」である。
平安時代の影響	女性が出家する際に用いられる髪型「尼削ぎ」があり、この特定の髪型が「尼」という言葉の使用にも影響を与えたとされる。
多層的な語源	「尼」は仏教文化、歴史、女性の社会的役割と多面的に関連している。それぞれの語源や由来が、尼僧が持つ多面的な性質や社会的な意味を豊かにしている。