ざっくばらんの語源・由来

ざっくばらんは、今では「遠慮がなく、思っていることをそのまま話すさま」や、「気どらず、かくしだてのないさま」を表す言葉です。人柄についても、話し方についても使われます。

この言葉の面白いところは、響きがいかにもくだけていて新しく見えるのに、実際には江戸時代から使われていることです。しかも、今の形だけでなく、少しちがう形もいくつか残っています。

たとえば、1767年(明和4年・江戸時代中期)には、すでに「ざっくばらん」という形が川柳の資料に見つかります。ここでは、気取らず、思い切ってふるまう感じがうかがえます。

その少し後の1780年(安永9年・江戸時代中期)には、「ざっくばらり」という形も見えます。さらに明治時代の会話文にもこの形が残っていて、語尾がまだ一つに決まりきっていなかったことが分かります。

ほかにも「ざっくばれん」「ざっくばら」などの形が伝わっており、江戸時代から明治時代にかけては、同じ意味の言い方がゆれながら使われていました。今の「ざっくばらん」は、その中でいちばん広く残った形だといえます。

語源については、はっきり一つに決めきれるわけではありません。ただ、よく知られている説明は、「ざっく」と「ばらり」という、ようすを表す言葉が重なってできたというものです。

「ざっく」には、物を大きく切る、割る、思いきって切りこむような感じがあります。「ばらり」には、まとまっていたものがほどけたり、散ったり、中が見えたりする感じがあります。

この二つを重ねて考えると、包みや殻を思いきって開いて、中をそのまま見せるような印象になります。そこから、心の中をかくさずに明かす、取りつくろわない、という意味へつながったと考えると、とても分かりやすいです。

一方で、江戸時代の俗語を集めた辞書には、髪が乱れることを表す古い語とかかわるのではないか、といった書き方も見えます。こちらは、身なりをきちんと整えず、飾らないままの様子から意味を考える見方です。

どちらの考え方でも、「きちんと取りつくろわない」「表を飾らず、そのまま出る」という感じが中心にあります。ですから、今の「ざっくばらんに話す」という言い方とも、気持ちよくつながります。

もともとは、物の形が割れる、ほどける、散るといった目に見える動きが、気持ちや態度の説明へ移っていったのでしょう。日本語には、このように、見える動きから人の心のあり方を表す言葉が生まれることがよくあります。

ざっくばらんも、その一つです。古い時代の言い回しでありながら、今でも「腹を割って話す」に近いぬくもりを持っているのは、言葉の中に、何かを包みかくさず開くという生き生きしたイメージが残っているからです。

主な参考文献
・『精選版 日本国語大辞典』
・『デジタル大辞泉』
・『増補俚言集覧』
・『川柳評万句合』
・『柳多留』
・『和英語林集成』
・『怪化百物語』

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