うじ【氏】の語源・由来

「氏」は、血縁関係に基づいた家族群や、それより広く擬制的な同族集団を指す言葉です。

この語は多層的な意味を持ち、日本の歴史や社会制度においてさまざまな用法があります。

古代では、祭祀や居住地、官職を通じて結合した政治的集団としての「氏」がありました。

このような集団内部では、異なる姓を持つ家族群が存在し、それらが階層的に構成されていました。

語源については諸説あり、一説には「氏」は「うち(内)」と同義だとされています。

また、親族を意味する朝鮮語の「ウル(ul)」や親戚を意味する蒙古語の「ウルク(uruk)」から派生した可能性も指摘されています。

旧かなで「氏」は「うぢ」とも書かれました。

どの説にせよ、共通しているのは「氏」が祖先を基にした同族、あるいはそれに準ずる集団を意味するという点です。

このように、「氏」は血縁や非血縁に関わらず、特定の集団を形成し、その集団内で独自の制度や階層が存在する、という広い意味で用いられています。

それが、家柄を指す場合もあり、近世においては武士階級が敬称として用いる場合もありました。

そして、現代では姓・苗字の法的な呼称としても使われています。

うじ【氏】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「氏」についての重要ポイントをカンタンにまとめます。
項目 説明・内容
基本的な意味 血縁関係に基づいた家族群や擬制的な同族集団を指す。
歴史的用法 古代では政治的集団として、祭祀や居住地、官職を通じて結合。家族群が階層的に構成されていた。
語源 諸説あり。「うち(内)」と同義、または朝鮮語「ウル」、蒙古語「ウルク」から派生とも。
旧かな表記 「うぢ」とも書かれた。
広い意味 血縁や非血縁に関わらず、特定の集団を形成し、その中で独自の制度や階層が存在する。
近世の用法 武士階級が敬称として用いる場合もあり。
現代の用法 姓・苗字の法的な呼称としても使われている。

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