しゅっせ【出世】の語源・由来

「出世」という言葉は、現代では「高い地位につくこと」や「世間で名が知られるようになること」として理解されていますが、その語源や由来は深い歴史的背景を持っています。

もともと「出世」は仏教的な背景を持ち、仏がこの世に姿を現して衆生を救うための仮の姿として出現することを指していました。

この意味では、仏が出てきてこの世を救うことを「出世」と表現していたのです。

また、この言葉は「出世間」としても使われ、こちらは「世を捨てて仏道に入ること」を意味していました。

時代が経過し、僧侶の間での地位や名声を得ることも「出世」と表現されるようになりました。

特に比叡山や興福寺のような大きな寺院では、公卿の親を持つ僧侶が昇進するのが速かったとされています。

そのため、僧侶が寺内での高い地位を得ることも「出世」と呼ばれるようになりました。

そして、この僧侶たちの間での昇進や地位を指す「出世」の用法が、次第に一般の人々の間でも使われるようになり、現在の「高い地位につくこと」や「名声を得ること」という意味合いへと変わっていったのです。

しゅっせ【出世】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「出世」という言葉の意味の変遷や、それに関連する仏教的な背景などの主要なポイントをカンタンにまとめます。
ポイント 説明
現代の意味 高い地位につくこと、世間で名が知られるようになること
元々の背景 仏教的な背景を持つ
仏教における意味 仏がこの世に姿を現して衆生を救う仮の姿としての出現
「出世間」の意味 世を捨てて仏道に入ること
僧侶と「出世」 僧侶の間での地位や名声を得ることも「出世」とされるように
特定の寺院での用法 比叡山や興福寺で、公卿の親を持つ僧侶が早く昇進することも「出世」と呼ばれた
一般化の経緯 僧侶の間での「出世」の用法が一般の人々の間にも広まり、現代の意味に変わった

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