くにくのさく【苦肉の策】の語源・由来

「苦肉の策」という表現は、一般に「考えあぐねた末の策」や「苦し紛れの手段」といった意味で用いられます。

この言葉の語源は、元々「敵を欺くために自分自身や味方を苦しめる」といった状況を指していました。

人々は普段、自分や味方を故意に傷つけたり苦しめたりするような行動をしないため、そうした行動を取った人が信頼される可能性が高くなるという心理を逆手に取る策が「苦肉の策」です。

この表現は、中国の古典的な兵法書「兵法三十六計」の第三十四計において「苦肉計」として登場します。

この戦術の代表的な例としては、歴史小説「三国志演義」における赤壁の戦いで用いられた偽計があります。

この偽計は、自らの状況を危機的に見せかけて敵を欺くために用いられました。

言葉としての「苦肉の策」はこのような歴史や文脈から生まれ、今日では「非常手段」や「最後の手段」といった意味で広く用いられています。

それが「苦し紛れの手段」という意味にも派生しています。

このようにして、元々の「敵を欺く」という狭い文脈から、より広い意味での「最後の手段」を指すようになったわけです。

【苦肉の策】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「苦肉の策」の語源から現代での用途までをカンタンにまとめます。
項目 説明・特徴
基本の意味 元々は「敵を欺くために自分や味方を苦しめる」手段を指す
出典 中国の兵法書「兵法三十六計」の第三十四計「苦肉計」に由来
代表的な例 「三国志演義」における赤壁の戦いで用いられた偽計
現代での用途 「非常手段」や「最後の手段」などといった意味で広く用いられる
派生した意味 「苦し紛れの手段」という意味にも派生
文脈の拡張 元々は敵を欺くための狭い文脈だったが、今日ではより一般的な「最後の手段」を指すようになった

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