えんぜつ【演説】の語源・由来

「演説」は、元々は漢籍、つまり中国の古典文献に由来する言葉で、声を用いて道理や教義を説くという意味で使われていました。

この言葉は日本でも古くから存在し、仏典や歴史文献「太平記」などにもその使用例が見られます。

一方で、この言葉が英語の「speech」に相当する訳語として定着したのは、福沢諭吉が影響を与えたからです。

福沢諭吉は、自らの著作『学問のすゝめ』の中で、日本には古来、演説の習慣がないと指摘しました。

彼は「寺院の説法などは先づ此類なる可し」と書いて、宗教的な文脈で声による説法が行われている例を挙げ、新しい時代においては一般的な演説の重要性を訴えました。

その後、福沢諭吉自らが弁論会を開くなどして、この言葉は訳語として広く受け入れられ、現在のように「大勢の人前で自分の意見を述べる」という意味で一般に用いられるようになりました。

えんぜつ【演説】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「演説」という言葉の語源、日本での使用例とその意味の変遷、特に福沢諭吉による影響と現在の一般的な意味についてカンタンにまとめます。
項目 説明
用語 演説
語源 漢籍(中国の古典文献)
古典文献での意味 声を用いて道理や教義を説く
日本での古い使用例 仏典や「太平記」など
英語での相当する語 speech
日本での意味の変遷の影響者 福沢諭吉
福沢諭吉の貢献 『学問のすゝめ』で演説の重要性を訴え、新しい意味での演説の習慣を日本に広めた
現在の一般的な意味 大勢の人前で自分の意見を述べる

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