きんちゃく【巾着】の語源・由来

「巾着」(きんちゃく)という言葉は、元々は「巾」が布切れを意味し、「身につける布切れ」つまり袋が「巾着」と称されました。

この語源には、布で作られた小さな袋が縁の部分にひもがついており、そのひもで口を締めて物を収納する、という形状が反映されています。

初めは火打ち袋、すなわち発火用具を入れるための袋として使用されていました。

江戸時代初期になると、この巾着が小銭入れとして一般的に使用されるようになりました。

その頃、貨幣経済が発展し、人々が日常的に小銭を持ち歩く必要が出てきたことで、巾着の存在がより一般的なものになったとされています。

しかし、時代が進むにつれて財布などの他の収納方法が普及したため、巾着は次第にその役割を減らしていきました。

なお、「巾着」は江戸時代には、私娼や遊里で客を指す隠語、さらには「金茶(きんちゃ)」とも短縮されて用いられるなど、意味が拡大・多様化しています。

これらの意味拡大は、巾着が一つの文化的なアイテムとして多くの人々に認知され、それぞれの時代や状況に応じて様々な意味で用いられるようになったからと言えそうです。

きんちゃく【巾着】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「巾着」に関する語源、初期の用途、江戸時代における変化、役割の変化、そして意味の拡大についてカンタンにまとめます。
重要ポイント 説明
語源 「巾」は布切れを意味し、「巾着」は布で作られた小さな袋を指す。
初期の用途 最初は火打ち袋、すなわち発火用具を入れるための袋として使用されていた。
江戸時代の変化 江戸時代初期に貨幣経済が発展し、巾着が小銭入れとして一般的に使用されるようになった。
役割の変化 時代が進むにつれて、財布など他の収納方法が普及し、巾着の主要な役割は減少した。
意味の拡大 江戸時代には、巾着が私娼や遊里で客を指す隠語や「金茶(きんちゃ)」としても用いられた。

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