「かわいい」という言葉は、実はその歴史と語源において多様な意味変化を経ています。
元々は「カホハユシ(顔映)」という表現から転じた「カハユシ」が起源であり、この「ハユシ」部分は、目にまぶしいような、体に変調をきたすような状況を指す言葉でした。
この「カオハユシ」は、そのままだと顔を向けられないほど気の毒な状態や見ていられないほどの状態を指していました。
中世の後半になると、この「かわいい」は「気の毒な」状態から「かわいらしい」、つまり愛らしい、愛すべき状態に意味が変わってきました。
今日でいう「かわいい」に近い感じ方が生まれる過程で、このような意味のシフトがあったとされています。
さらに、漢字で「可愛い」と書くのは当て字であり、元々の日本語の語源とは直接の関連性はありませんが、漢字が当てられることで「愛すべきである」という意味がより強調されたとも言えます。
このように、「かわいい」はその歴史を通じて、気の毒な状態を指す言葉から愛らしさや愛すべき性質を持つものを指す言葉へと変わってきました。
このような意味の変遷は、日本文化や感性の変化を反映している面もあるでしょう。
【可愛い】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「かわいい」という言葉がどのように変わったか、その過程と文化的な反映をカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
---|---|
現代の用語 | かわいい |
元の表現 | カホハユシ(顔映)→ カハユシ |
初期の意味 | 顔を向けられないほど気の毒な状態や見ていられないほどの状態 |
中世の意味 | 「気の毒な」状態から「愛らしい、愛すべき」状態への変遷 |
漢字の影響 | 「可愛い」は当て字で、元の日本語の語源とは直接関係なし。しかし、「愛すべきである」という意味が強調 |
文化的反映 | 意味の変遷は、日本文化や感性の変化を反映している可能性あり |