かぶをまもりてうさぎをまつ【株を守りて兎を待つ】の語源・由来

「株を守りて兎を待つ」という言葉は、日本でよく使われる成語の一つであり、その語源は中国の古典文学「韓非子」に由来しています。

この成語の背後には、古代中国の宋国で実際にあったとされる故事があります。

この故事によれば、宋の農夫が畑で作物を栽培している最中、突如として野兎が飛び出してきて、畑にあった切り株にぶつかって死んでしまったという出来事がありました。

農夫はこの出来事に大いに驚き、同時にこれを好機と捉えました。

何もせずに手に入れた兎肉は、農夫にとってはまさに意外な収穫でした。

しかし、この一度きりの偶然を運命だと考えた農夫は、その後も同じ切り株をじっと見守り続け、畑を耕す作業を完全に放棄してしまいました。

農夫の期待に反して、二度とそこで兎は現れず、結局何も得ることはありませんでした。

この故事から得られる教訓は、一度の偶然や成功に過度に依存し、現状の維持ばかりを考えてしまうと、新しい機会や変化に対応できずに失敗してしまう可能性が高い、というものです。

成語「株を守りて兎を待つ」は、このような心構えや行動を批判的に表現するために用いられます。

特に、変わりゆく環境や時勢に柔軟に対応できない人々や組織に対して使われることが多いです。

【株を守りて兎を待つ】の意味・語源由来！表で簡単まとめ

表を使って、語源由来や重要ポイントをカンタンにまとめます。

項目	説明・内容
成語	「株を守りて兎を待つ」
語源	中国の古典文学「韓非子」
故事の背景	古代中国の宋国
主要な出来事	宋の農夫が畑で作物を栽培中、野兎が切り株にぶつかって死亡農夫はこれを好機と見て、畑の作業を放棄し兎を待ち続けるしかし、再び兎は現れず、何も得られなかった
教訓	一度の偶然や成功に依存し、現状維持に固執すると、新しい機会や変化に対応できずに失敗する可能性がある。
成語の使用コンテキスト	変わりゆく環境や時勢に対応できない人や組織を批判する際に使用される。