「片棒を担ぐ」という言葉は、江戸時代に駕籠(かご)を担ぐ仕事から生まれました。
一つの駕籠を担ぐためには通常二人が必要で、それぞれが一方の棒を担ぎます。
この「片棒」が片方の棒、すなわち先棒か後棒のどちらか一方を指します。
この言葉は、一方だけでは仕事が成り立たないという事実から、「いっしょにある企てをする」または「荷担する」という意味で使われるようになりました。
特に、江戸時代の駕籠舁き(かごかつぎ)にはならず者が多かったとされ、そのため「片棒を担ぐ」はしばしば悪事を共謀する、あるいは悪事に加担するという意味で用いられるようになりました。
「後棒を担ぐ」「お先棒を担ぐ」とも言い換えられ、これも同じような意味合いで使われます。
このように、言葉は具体的な労働状況から生まれたものが、時間とともに抽象的な意味を持つように進化しています。
【片棒を担ぐ】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「片棒を担ぐ」という言葉の基本的な意味、語源、関連語、意味の変遷、および象徴的な意味についてカンタンにまとめます。
項目 | 説明・内容 |
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基本意味 | 一方の棒を担いでいることから、いっしょにある企てをするまたは荷担する。 |
語源 | 江戸時代の駕籠(かご)を担ぐ仕事。通常は二人で一つの駕籠を担ぐ。 |
関連語 | 先棒、後棒。それぞれ先頭と後方で棒を担ぐ人。 |
意味の変遷・特定の用途 | 元々は単に労働を共にするという意味でしたが、江戸時代にはならず者が多かったことから悪事に加担するという意味も付加。 |
象徴的意味 | 一方だけでは仕事が成り立たないという事実から、共同での努力や責任、場合によっては悪事への加担を象徴。 |