「衣鉢(いはつ)」という言葉は、学問や技芸などの奥義が師から弟子に伝えられることを指します。
この言葉の語源は仏教に由来しており、特に僧侶が持つべき最低限かつ最重要な持ち物である「三衣(さんえ)」と「一鉢(いっぱつ)」からきています。
「三衣」は、僧侶が着用する袈裟を指し、具体的には下衣、上衣、外衣の三つの衣服から成り立っています。
一方で、「一鉢」は僧侶が食事を受けるための鉢を意味します。
これら「三衣一鉢」は、仏法を継承する証として、師から弟子へと与えられました。
この伝統的な文脈から、「衣鉢」は師から弟子へと続く知識や技術、奥義を伝えるという意味に広がりを見せています。
それは仏法だけでなく、さまざまな学問や技芸においても使われるようになりました。
なお、「遺鉢を継ぐ」という表現は誤りで、正しくは「衣鉢を継ぐ」と言います。
いはつ【衣鉢】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「衣鉢」についての基本的な情報、語源、文化的背景、正確な用法をカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
---|---|
「衣鉢(いはつ)」の意味 | 学問や技芸の奥義が師から弟子に伝えられること |
語源 | 仏教に由来し、「三衣(さんえ)」と「一鉢(いっぱつ)」から |
三衣(さんえ) | 僧侶が着用する下衣、上衣、外衣の三つの衣服 |
一鉢(いっぱつ) | 僧侶が食事を受けるための鉢 |
文化的広がり | 仏法だけでなく、様々な学問や技芸でも使われるようになった |
誤用の注意 | 「遺鉢を継ぐ」は誤りで、「衣鉢を継ぐ」が正しい |