「濡れ衣」という言葉は、現在では「無実の罪」や「事実に反する噂や誤解」を意味します。
もともと、奈良時代にこの言葉が使われた際には、文字通り雨や海水で濡れた衣服のことを示していました。
しかし、平安時代以降の用法では、言葉の意味が変化し「無実の浮き名」という意味合いで使用されるようになりました。
この変化の背景には、ある伝説が関わっています。
その伝説とは、後妻が先妻の娘を疎んじ、悪意を持って娘を陥れるために漁師の濡れた衣服を娘の部屋に置き、彼女が漁師と不適切な関係にあるかのように偽装したというものです。
この伝説から、「濡れ衣」は無実の罪や不当な嫌疑を意味する言葉として定着しました。
なお、「ぬれごろも」という読み方も存在することを知っておくとよいでしょう。
ぬれぎぬ【濡れ衣】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「濡れ衣」という言葉の起源や歴史的な用法、関連する伝説や読み方に関するポイントをカンタンにまとめます。
項目 | 説明・内容 |
---|---|
単語 | 「濡れ衣」 |
現代の意味 |
|
奈良時代の用途 | 雨や海水で濡れた衣服のこと |
平安時代以降の用法 | 「無実の浮き名」という意味合い |
伝説の背景 | 後妻が先妻の娘を疎んじ、悪意で娘を陥れるための偽装のエピソード |
読み方 | 「ぬれごろも」も存在する |