「いずれ菖蒲(いずれあやめ)」という表現は、どれも素晴らしくて選択に迷う、または優劣をつけがたいという状況を指す言葉です。
この表現の語源は、平安末期の武将・源頼政が関わる一つのエピソードに由来しています。
源頼政は、怪獣鵼(ぬえ)を射止めた後、褒美として美女「菖蒲(あやめ)」を賜りました。
しかし、この美女は同じ姿を持つ十二人の美女の中の一人で、源頼政はその中から「菖蒲」を見つけ出すようにと命じられました。
この状況に困り果てた源頼政が詠んだ歌が「五月雨に沢辺の真こも水越えていずれ菖蒲と引きぞ煩う」というものであり、このエピソードから「いずれ菖蒲」という表現が生まれたとされています。
この話は、『太平記』や『源平盛衰記』などの歴史書や物語にも類似したエピソードとして載っています。
このような背景を持つ「いずれ菖蒲」は、選択肢が多くて迷う、もしくはどれも高品質で選びがたいという状況に用いられる言葉となっています。
この言葉が示すように、選択の多さや優れたものが多い状況は、時として人々を困らせ、また魅了することがあるわけです。
【いずれ菖蒲】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、語源由来や重要ポイントをカンタンにまとめます。
主要なポイント | 説明・内容 |
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表現の意味 | どれも素晴らしくて選択に迷う、または優劣をつけがたいという状況を指す。 |
語源 | 平安末期の武将・源頼政が関わるエピソードに由来。源頼政は怪獣「ぬえ」を射止めた後、褒美として美女「菖蒲(あやめ)」を賜り、彼女を見つけ出すよう命じられた。 |
詠まれた歌 | 源頼政が詠んだ歌「五月雨に沢辺の真こも水越えていずれ菖蒲と引きぞ煩う」からこの表現が生まれた。 |
史書や物語での言及 | 『太平記』や『源平盛衰記』などに類似したエピソードとして記載されている。 |
用途 | 選択肢が多くて迷う、もしくはどれも高品質で選びがたいという状況に用いられる。 |
言葉の示す状況の特性 | 選択の多さや優れたものが多い状況は、時として人々を困らせ、また魅了する。 |