さじをなげる【匙を投げる】の語源・由来

「匙を投げる」という言葉は、物事を断念する、あるいは救済や改善の見込みがないと判断する時のたとえとして使われます。

この言葉の背景には、医師が薬の調合を行う際に使用する「匙」がキーアイテムとして登場します。

患者の病状が非常に重く、治療の方法が見当たらない場合、医師は薬の調合をあきらめ、その匙を投げ出すことから、この言葉が生まれました。

この行為は、医師自身が患者を救う手段がないと絶望的に感じていることを象徴しています。

この表現は、時間が経つにつれて、医療の文脈だけでなく、一般的な状況や事柄に対しても使われるようになりました。

すなわち、どんな手を打っても改善や解決の見込みが立たない場合に、その取り組みや努力を断念する意味で「匙を投げる」と言うようになったのです。

実際に、江戸後期の川柳集「俳風柳多留」にも「田舎医者 さじを投げては 馬で逃げ」という詠みがあり、この言葉が当時の生活や文化にどれだけ浸透していたかを示しています。

【匙を投げる】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「匙を投げる」という言葉の基本的な情報とその背景や由来に関する主要なポイントをカンタンにまとめます。
キーポイント 詳細
基本の意味 物事を断念する、または救済や改善の見込みがないと判断する時のたとえ。
背景の起源 医師が薬の調合中に、治療の方法が見当たらない場合に匙を投げ出す行為から来ている。
匙の象徴性 医師が治療方法が見当たらず、絶望して匙を投げることが、この表現の起源とされている。
汎用性 最初は医療の文脈で使われていたが、時間が経つにつれて一般的な状況や事柄にも使われるようになった。
歴史的な記録 川柳集「俳風柳多留」に「田舎医者 さじを投げては 馬で逃げ」という詠みがあることが、この言葉が江戸後期にどれほど浸透していたかを示している。

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