「寂しい・淋しい」という言葉は、物足りなさや欠如、孤独などの感情を表現するときに用いられます。
この言葉の起源は、奈良時代にさかのぼります。
奈良時代には、この言葉は「さぶし」という形で使用されていました。
この「さぶし」の中にある「さぶ」という部分は、荒れることを意味する「荒ぶ」という動詞から派生したものとされています。
つまり、元々の意味は「荒れた状態」や「活気のない状態」を指していたと考えられます。
時が経つにつれて、「さぶし」は「さびし」という語形に変わりました。
さらに、江戸時代に入ると、「さびし」と同じ意味で「さみし」という表現も用いられるようになりました。
この「さみし」という語形の変化は、音韻の自然な変遷、特に「ま行音への音韻交替」という現象に起因するものと考えられています。
要するに、「寂しい・淋しい」という言葉は、もともとは荒れた状態や活気の失われた状態を指す言葉として使用されていたが、時代を経るうちに、物足りなさや孤独などの感情を表現する言葉として広く用いられるようになったのです。
【寂しい・淋しい】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「寂しい・淋しい」という言葉の意味とその起源に関する重要ポイントをカンタンにまとめます。
キーポイント | 詳細 |
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現代での意味 | 物足りなさ、欠如、孤独などの感情を表現するときに使用される。 |
起源の時代 | 奈良時代 |
奈良時代の使用形 | 「さぶし」として使用されていた。 |
「さぶし」の語源 | 「荒ぶ」という動詞から派生し、元々は「荒れた状態」や「活気のない状態」を意味していた。 |
語形の変化 | 「さぶし」→「さびし」→「さみし」と変化し、特に「さみし」の変化は「ま行音への音韻交替」という現象に起因する。 |
現代の用法への変遷 | 元々は荒れた状態や活気の失われた状態を指す言葉として使用されていたが、時間が経過するにつれて、物足りなさや孤独などの感情を表現する言葉として広く用いられるようになった。 |