【意味】
その中に足を入れて歩行するのに用いる具。古くは、革・木・糸・麻・綿・藁などで作り、束帯・衣冠などのときには浅沓・靴(かのくつ)・半靴(ほうか)・深沓などを用いた。
【語源・由来】
「くつ」の語源は、「ケルタル(蹴足)」の転という説、足を納める様子を表した擬態語「クツ」からという説、「くつ」は、北方アジア、中国、主に朝鮮半島経由で日本に伝来したものなので、朝鮮語の「kuit(グドゥ)」からとする説があるが未詳。世界最古の履物は、アメリカで発見された樹皮製のサンダルで紀元前7000年頃のものと思われる。日本で発見された昔の履物は、古墳時代の金銅製の履物、正倉院にある奈良時代の室内用靴「繍線鞋」が有名。「沓」は、主に、平沓、浅沓、麻沓、杭沓、鞠沓、毛沓、藁沓など日本古来の履物を表すときに用いる。「靴」は、明治時代以降、西洋文化とともに革の靴が普及し、一般的に「くつ」を表す漢字となった。