【意味】
①くまどること。彩色を加えぼかすこと。
②絵画で、遠近・高低・凸凹などを表現するため、墨や彩色の濃淡によってぼかしを加えること。
③歌舞伎や中国の京劇などにおける特殊な化粧法。正義・悪・超人的な力などをもつ役柄を強調するため、紅・青・墨などの絵具で一定の型に顔面を彩色すること。
【語源・由来】
「隈取り」の「隈」は、奥まって隠れたところ、かげのあるところを意味する。そこから「隈」は光と陰、また濃い色と薄い色とが接する部分、陰影を表す。さらに、色彩で濃淡や陰影をつけることを「隈取る」というようになり、名詞化し「隈取り」になった。歌舞伎の隈取りは、元禄頃、初世市川団十郎が創始したものといわれる。