「辛うじて」という表現は、語源としては「辛い」に由来しています。
この「辛い」は、元々は「からし」という形容詞から来ており、塩からい、もしくはしょっぱいという意味で使われていました。
しかし、時が経つにつれて、この「からし」は心身に強い刺激を与える状態や、何かに強く感じる様子を表すようになりました。
このような変遷を経て、「辛うじて」は、心情的につらい状態や困難な事態から何とか逃れた、または何とか達成したというニュアンスで用いられるようになりました。
具体的には、「ようやく」「やっと」「わずかに」といった意味で使われます。
「カラクシテ」という表現がウ音便化して「辛うじて」となったとも言われています。
このウ音便化とは、言葉が流れるように自然と変化する音の変化の一つで、この場合、「カラクシテ」が口語で使われる過程で「辛うじて」となったと考えられています。
このように、「辛うじて」は、元々の塩からさから遠く離れた、より抽象的な「つらさ」や「困難」を乗り越える意味合いで用いられるようになっています。
【辛うじて】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「辛うじて」という表現がどのように抽象的な意味に変遷したかをカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
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現代の用語 | 辛うじて |
元の形容詞 | からし(辛い) |
初期の意味 |
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時間の経過と変遷 | 「からし」が心身に強い刺激を与える状態や、何かに強く感じる様子を表すように変化 |
現代での用途 | 困難な事態から何とか逃れた、または何とか達成したというニュアンス。具体的には「ようやく」「やっと」「わずかに」 |
音便化 | 「カラクシテ」がウ音便化して「辛うじて」となる |