日本語の「大きい」という形容詞は、室町時代以降に形成されたもので、その原型は「オホキ(おおき)」という言葉です。
この「オホキ」は平安時代に、元々「オホシ(おおし)」という形で用いられていました。
当初、日本語では「大きい」と「多い」は「オホシ」として区別されていなかったのです。
つまり、何かが多量である、または大きな寸法を有することを、どちらも「オホシ」として表現していたわけです。
平安時代になると、この「オホシ」の連体形として「オホキ」が使われ、それが「大きい」という意味で捉えられるようになりました。
そして、形容動詞としては「オホキナリ(おおきなり)」という形に発展していきました。
室町時代に入ると、この「オホキ」がさらに形容詞化され、「イ」が後ろに付けられて「オオキイ(大きい)」という形になったのです。
このように、「大きい」という言葉は、歴史的に形と量を表す共通の語源から分化し、今日のような多様な意味を持つ形容詞に発展してきました。
おおきい【大きい】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、日本語の「大きい」という形容詞がどのように発展してきたかをカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
---|---|
原型(オホシ) | 平安時代の「オホシ」は「大きい」と「多い」を区別せずに使われていた。 |
連体形(オホキ) | 平安時代に「オホシ」の連体形として「オホキ」が使われ、それが「大きい」と解釈された。 |
形容動詞(オホキナリ) | 「オホキ」は形容動詞として「オホキナリ」という形に発展した。 |
室町時代の変化 | 室町時代に「オホキ」が形容詞化し、「イ」が後ろに付けられて「オオキイ(大きい)」となった。 |
意味の発展 | 「大きい」は歴史的に形と量を表す共通の語源から分化し、多様な意味を持つ形容詞に発展してきた。 |