きょうりん【杏林】の語源・由来

「杏林」という言葉は、一般に医者や医院を美称として指す用語ですが、この言葉の背景には中国の歴史と伝説が深く関わっています。

三国時代の呉に、名医とされる「董奉(とうほう)」という人物がいました。

彼は非常に優れた医術を持っていたが、治療に対する報酬は受け取らなかったとされています。

代わりに、彼は治療を受けた人々に杏の木を植えるように頼んだのです。

その結果、数年後には廬山に立派な杏の林が広がるようになりました。

董奉はその杏の実を用いてさらに多くの貧しい人々を救ったとされ、自らも三百余歳まで生きたという伝説があります。

この話は『神仙伝』という文献にも記されています。

そこから、「杏林」という言葉は名医董奉の杏の木による慈善活動と、その延長としての医療活動を美称として象徴するようになったのです。

つまり、「杏林」はただの医者や医院を指すだけでなく、その背後には高い倫理観と深い慈悲、そして医術の精妙さが込められている言葉でもあります。

このようにして、歴史と伝説を通じて「杏林」という言葉は、医者や医療に対する尊敬と期待を一つの形にしています。

きょうりん【杏林】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「杏林」という言葉がどのように名医董奉とその慈善活動に由来し、現在に至るまで医療業界に多大な影響を与えているかをカンタンにまとめます。
重要ポイント 説明
言葉の意味 「杏林」は一般に医者や医院を美称として指す。
起源と背景 この言葉の起源は三国時代の呉にいた名医「董奉(とうほう)」に由来する。
董奉の慈善活動 董奉は報酬を受け取らず、代わりに治療を受けた人々に杏の木を植えるように頼んだ。
杏の林の伝説 廬山には董奉の活動によって杏の林が広がり、その杏の実で多くの人々が救われた。
文献記録 この伝説は『神仙伝』という文献にも記されている。
象徴的意味 「杏林」は医療活動だけでなく、高い倫理観、慈悲、医術の精妙さをも象徴している。
社会的影響 「杏林」は医者や医療に対する尊敬と期待を一つの形にしている。

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