てしおにかける【手塩に掛ける】の語源・由来

「手塩に掛ける」という表現は、「自ら世話をして育てる」という意味で使われます。

この言葉の背景には、古くからの日本の食文化が関連しています。

「手塩」とは、かつて食事の際に膳の不浄を払う目的で小皿に盛って用意されていた塩を指します。

その塩は、食事中に自らの手で取って料理の味を調節するために使われました。

つまり、食事の味を自分の好みに合わせるための調整や、食事の品質を守るための役割を果たしていたのです。

この習慣から、料理や物事を自分自身で気を使って、丁寧に手を掛けて世話をする、という意味合いが強くなり、それが「手塩に掛ける」という表現として定着しました。

時が経つにつれ、この表現は「自分の手で大切に育てる」という意味で幅広く使われるようになりました。

【手塩に掛ける】の意味・語源由来！表で簡単まとめ

表を使って、「手塩に掛ける」という表現の意味、背景、由来、および現在の使われ方に関する情報をカンタンにまとめます。

項目	詳細
表現の意味	自ら世話をして育てる
背景	古くからの日本の食文化
「手塩」とは	食事の際の小皿に盛った塩で、不浄を払い、味を調節するために使われた
塩の用途	味の調整や食事の品質保護
表現の由来	料理や物事を自ら丁寧に手を掛けて世話をする習慣から生まれた
現在の使われ方	「自分の手で大切に育てる」という意味で広く使われるようになった