「三隣亡」という言葉は、現代では建築をすると火災を起こして、近隣の3軒までをも亡ぼすとされる忌日を意味します。
しかしこの言葉の背景を振り返ると、その由来は意外な事実が隠されています。
もともと、この言葉は「三輪宝」として知られていました。
この「三輪宝」は「天」「地」「人」の三点の中央に宝が位置することを示しており、この日は特に吉日として扱われていたのです。
実際、江戸時代の暦注を見ると、「三輪宝」の日には「屋立てよし」とか「蔵立てよし」といった、建築に適している日として記されていたのです。
しかし、何らかの時期に、この「三輪宝」が忌日として扱われるように変わってしまいました。
「三輪宝」の「屋立てよし」という記述の「よし」を「あし」、つまり「悪し」と誤解したことが原因とされています。
この誤解から、かつての吉日が逆に避けられる忌日となり、「三輪宝」が「三隣亡」として伝えられるようになったのです。
【三隣亡】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「三隣亡」という言葉の起源、現代の意味、そしてその背景をカンタンにまとめます。
属性 | 詳細 |
---|---|
言葉 | 三隣亡 |
現代の意味 | 建築をすると火災を起こして、近隣の3軒まで亡ぼす忌日 |
もとの言葉 | 三輪宝 |
「三輪宝」の意味 | 「天」「地」「人」の三点の中央に宝が位置する吉日 |
江戸時代の暦注 | 建築に適している日として記されていた |
誤解 | 「よし」を「あし」(悪し)と誤解 |
結果 | 吉日が忌日となり、「三輪宝」が「三隣亡」として伝わる |