「手薬練引く」という言葉の意味は、十分に準備を整えることを表しています。
この表現の背景には、古くからの日本の武士の習慣が関わっています。
「薬煉(くすね)」とは、松ヤニを練り混ぜて作られる粘着性の強い物質のことを指します。
この薬煉は、弓の弦に滑り止めとして、または弦を強化するために塗られました。
合戦の際、武士たちは敵との戦いに備え、弓を最適な状態にするためにこの薬煉を手に取り、弓の弦に塗布していました。
この行為は、戦の前の重要な儀式の一部として行われ、その準備行動が「完全な態勢での待機」や「万全の状態での臨戦態勢」を意味するようになりました。
そして、この行為から「手薬煉を引いて待つ」という言葉が生まれ、時代とともに「手薬練引く」という表現として定着していったのです。
【手薬練引く】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「手薬練引く」という言葉の意味や背景、そして由来をカンタンにまとめます。
項目 | 詳細 |
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用途 | 十分に準備を整えることを指す。 |
背景 | 古くからの日本の武士の習慣に基づく。 |
「薬煉(くすね)」の意味 | 松ヤニを練り混ぜて作る粘着性の強い物質。弓の弦に滑り止めや強化として塗布される。 |
重要な儀式 | 合戦前に、武士たちは弓の弦に薬煉を塗布する行為を行っていた。 |
表現の変化 | 「手薬煉を引いて待つ」という準備行動から、「手薬練引く」という表現として定着した。 |