「感情移入(かんじょういにゅう)」という言葉は、元々ドイツ語の「Einfühlung」から訳されたもので、他人や芸術作品に対して自分の感情を投射し、一体化するという心の動きを表します。
この概念は、ドイツの美学者であるTheodor Lipps(T.リップス)や他の学者によって詳細に説明されました。
彼らの理論では、人が物や他人に対して感じる美的な感動や共感は、自分自身の感情がその対象に「移入」することによって生まれる、とされています。
この「Einfühlung」というドイツ語自体も、「Ein-(一つに)」と「-fühlung(感じること)」を組み合わせた言葉で、文字通り「一つに感じる」という意味合いがあります。
この語は、美学だけでなく、心理学や哲学、さらには現代の心理療法など、多くの学問や実践領域で使われています。
要するに、この「感情移入」という言葉は、いかに人々が外部の世界や他者と心を通わせ、感情を共有するかという人間の基本的な能力を指し示す、非常に深い概念です。
そして、この言葉は、元々のドイツ語の概念を基に、日本語においても広く受け入れられ、多くの文脈で使用されるようになりました。
【感情移入】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「感情移入」の基本的な意味から語源、使用される領域、人間の基本的な能力までをカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
---|---|
基本の意味 | 他人や芸術作品に対して自分の感情を投射し、一体化する心の動きを指す。 |
語源 | ドイツ語の「Einfühlung」から訳された。原語では「一つに感じる」という意味。 |
提唱者 | Theodor Lipps(T.リップス)などのドイツの美学者。 |
理論 | 自分自身の感情が物や他人に「移入」することで美的な感動や共感が生まれる、と説明されている。 |
使用される領域 | 美学、心理学、哲学、心理療法など多くの学問や実践領域で用いられる。 |
人間の基本的な能力 | 外部の世界や他者と心を通わせ、感情を共有する人間の基本的な能力を指し示す。 |
日本語での普及 | 元のドイツ語の概念を基に、日本語でも広く受け入れられ、多くの文脈で使用されるようになった。 |