あうん【阿吽】の語源・由来

「阿吽(あうん)」という語は、仏教の真言(まんとら)に由来しています。

特に、この語は密教において重要な位置を占めています。阿吽は、「阿」(梵語で “a”)と「吽」(梵語で “hūṃ”)という二つの音から成り立っています。

この二つの音は、悉曇(しったん)文字、すなわち古代のインドで使用されていた文字の最初と最後を象徴しています。

この「阿」と「吽」は、それぞれ開口音と閉口音を表しており、密教においては宇宙の始まり(創造)と究極(完全性または終焉)を象徴しています。

そのため、阿吽は物事の始まりと終わり、または全体性と一体性を示していると言えます。

さらに、この阿吽の概念は、日本の寺院や神社にある狛犬や仁王像にも現れています。

通常、これらの像は一対であり、一方が口を開け(阿)、もう一方が口を閉じている(吽)形態を取っています。

これは阿吽の象徴であり、宇宙や人生の循環、調和を表しています。

阿吽はまた、吐く息と吸う息、またはともに何かを行う際の調子やリズムを表す際にも用いられます。

これは阿吽が持つ「始まりと終わり」や「一体性」の象徴性から派生した意味と考えられます。

要するに、阿吽は仏教的な観点から見れば宇宙の全体性と一体性を象徴する言葉であり、それが多様な文化や象徴、また日常生活における「調和」や「リズム」にまで影響を与えています。

【阿吽】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、「阿吽」の多様な文化や象徴、また日常生活にどのように関連しているかカンタンにまとめます。
項目 説明
語源 仏教の真言(まんとら)に由来。特に密教で重要。
成分 「阿」(梵語で “a”)と「吽」(梵語で “hūṃ”)の二つの音から構成
象徴的な意味 悉曇(しったん)文字の最初と最後、開口音と閉口音を象徴
密教での意義 宇宙の始まり(創造)と究極(完全性または終焉)
寺院や神社での表現 狛犬や仁王像が一対で、「阿」は口を開け、「吽」は口を閉じている
その他の用途 吐く息と吸う息、調子やリズムなどにも使用
派生した意味 「始まりと終わり」や「一体性」の象徴として、調和やリズムに影響

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