「手を拱く」という表現は、何もしないで傍観することや、何もできずにいる状態を指します。
この言葉の中の「拱く」とは、両手の指を胸の前で組み、敬礼するという動作を意味しています。
この敬礼の方法は、もともと中国でのあいさつの一つとして行われていました。
時が経つにつれ、この「拱く」という動作から、腕を組んで静かに見守る、すなわち何も行動を起こさない様子を表すようになりました。
「拱く」は、「こまねく」とも読まれます。
この表現の起源として、「戦国策」という古文書に「大王手を拱きて、以て須(ま)たば、天下は遍隨(へんずい)して伏す」という言葉があり、これは「秦王は何もしないで待つだけで、他の国々が彼の下に服従するだろう」という意味合いを持っています。
このような背景をもとに、「手を拱く」は何もしないで待つ、または傍観するという意味で使われるようになったのです。
【手を拱く】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、語源由来や重要ポイントをカンタンにまとめます。
項目 | 説明・内容 |
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表現 | 手を拱く |
基本の意味 | 何もしないで傍観することや、何もできずにいる状態。 |
「拱く」の動作 | 両手の指を胸の前で組み、敬礼する。 |
起源 | 中国のあいさつの一つ。 |
読み方 | 「こまねく」とも読まれる。 |
古文書の言及 | 「戦国策」に「大王手を拱きて、以て須(ま)たば、天下は遍隨(へんずい)して伏す」という記述があり、何もしないで待つ、または傍観する意味合いを持っている。 |