「膾炙(かいしゃ)」という語は、もともと食べ物に関する二つの単語、「膾(かい)」と「炙(しゃ)」を組み合わせた表現です。
それぞれの言葉には特定の意味があり、「膾」は生肉を細かく刻んだ料理、つまり「なます」のようなものを指し、「炙」は炙った肉を意味します。
これらはどちらもごちそうとされ、広く人々に好まれた食べ物でした。
この表現が「世に広く知れ渡っていること」という意味で使われるようになったのは、これらの食べ物が広く人々に愛され、口にのぼることが多かったからです。
例えば、詩人林嵩の文に「一篇一詠、人口に膾炙す」という表現があり、どの詩もどの文章も人々の口に広がる、つまり広く知られているという意味で使われています。
さらに、現在日本で「なます」と呼ばれる酢であえる料理は、漢字で「鱠」と書かれます。
これは、日本に伝わった際に、生魚も料理に使われるようになったため、漢字が「鱠」という魚を含むものに変わったとされています。
このように、「膾炙」は元々は特定の料理に使われた言葉ですが、その後、広く知れ渡っている、または評価されているという意味で使われるようになりました。
この進化の過程には、文化と言語がどのように交錯して変化していくかを感じ取ることができます。
かいしゃ【膾炙】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「膾炙」の進化の過程、文化と言語がどのように交錯して変化していったかをカンタンにまとめます。
項目 | 説明 |
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元々の意味 | 「膾(かい)」は生肉を細かく刻んだ料理(なます)。「炙(しゃ)」は炙った肉。どちらもごちそうとされる。 |
意味の進化 | 広く人々に愛され、口にのぼることが多かったため、「世に広く知れ渡っていること」という意味で使われるようになった。 |
文学における使用例 | 詩人林嵩の文に「一篇一詠、人口に膾炙す」という表現があり、広く知られているという意味で使われている。 |
「なます」の漢字 | 日本では「なます」が「鱠」と書かれ、これは生魚も使われるようになったから。 |
文化と言語の交錯 | 「膾炙」の意味進化は、文化と言語がどのように交錯して変化していくかを示している。 |