「けり」という言葉は、現代日本語で「決着」や「しめくくり」の意味として用いられることが多いですが、その語源や由来は日本の伝統的な文学や語り物に関わっています。
古典文学である和歌や俳句などにおいて、詠み手の感じ取った風景や心情を表現した末に「~けり」という助動詞を添えることが一般的でした。
これは、詠み手がその時点での経験や感情を完結させ、締めくくる意味を持っていました。
この使われ方が、終結や完了の意味合いを強めていったのです。
さらに、平曲という古典的な語り物においても、物語の始まりを「そもそも」として語りだし、終わりに「けり」という言葉で締めくくる形が取られていました。
このような語り物での使われ方も、「けり」が終わりや終幕を意味するものとして定着する要因となったと考えられます。
このように、「けり」は日本の伝統的な文学や文化の中での使用を経て、終わりや完結を意味する言葉として現代に受け継がれてきたのです。
「けり」の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「けり」という言葉の起源や意味、歴史的背景に関する情報をカンタンにまとめます。
項目 | 詳細 |
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言葉 | けり |
現代日本語での意味 |
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古典文学での使用 | 和歌や俳句における終結や完了の助動詞として「~けり」と添える |
助動詞「けり」の意味 | 詠み手の感情や経験を完結させ、締めくくる意味 |
平曲での使用 | 物語の終わりを示す言葉として「けり」を使用。物語は「そもそも」と始まり、「けり」と終わる |
影響 | 古典的な語り物や文学の中での使用が、「けり」が終結や完了の意味を持つ言葉としての定着に寄与 |
ポイント | 「けり」は日本の伝統的な文学や文化を通じて終わりや完結を意味する言葉として現代に受け継がれた |