「辰」という文字や「辰年」の概念は、十二支の中で第5位に位置し、動物では竜に対応しています。
また、「辰」は東から南への30度の方角を指すとともに、古い時刻の名前でもあり、今の午前8時頃、もしくはおおよそ午前7時から9時の間の時刻を指します。
この「辰」の語源には興味深い背景があります。
元々の読み方は「しん」で、源氏においては「蜃」と読まれます。
「蜃」は、蜃気楼を生み出すと言われる伝説の生物を意味しており、その漢字自体は二枚貝が動いて開く様子を表現しています。
この「蜃」には「振る」や「震える」といった意味合いが存在します。
そして、「漢書」律暦志によれば、「振る」や「整う」という意味で、草木が成長し、その形が完成された状態を示すと解釈されています。
では、なぜ「辰」が竜、すなわち「龍」と関連付けられるようになったのでしょうか。
これは、十二支の概念を一般の人々に広めるための戦略の一環として、「辰」を「竜」と関連付けて説明されたと考えられています。
しかし、なぜ「竜」と「辰」が関連付けられたのか、また十二支の中で「辰」が5番目に位置する理由などは、はっきりとした理由が明らかにされていません。
【辰・辰年】の意味・語源由来!表で簡単まとめ
表を使って、「辰」の意味や用途をカンタンにまとめます。
項目 | 詳細 |
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辰の位置と対応動物 | 十二支の中で第5位、動物では竜に対応 |
辰の方向と時刻の指示 |
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辰の元々の読み方 | 「しん」または「蜃」 |
「蜃」の意味 | 蜃気楼を生み出す伝説の生物、二枚貝が動いて開く様子を示す。また「振る」や「震える」などの意味が存在 |
辰の成長の意味合い | 「漢書」律暦志によると、草木が成長し、その形が完成された状態を示す |
「辰」と「竜」の関連の起源 | 十二支の概念を広める戦略の一環として、竜と関連付けられたと考えられるが、具体的な理由や「辰」が5番目に位置する理由は不明 |