なしくずし【済し崩し】の語源・由来

「済し崩し」という言葉の由来は、「済す（なす）」という動詞から来ています。

「済す」は、返済するという意味を持っています。

この言葉の背景には、借金を少しずつ、段階的に返済していくという意味があります。

そこから、物事を少しずつ片付けていく、進めていくという意味にも使われるようになりました。

しかし、興味深いことに、文化庁の調査によれば、「済し崩しにする」という表現に対する認識には大きな差があることが示されています。

平成二十九年度の「国語に関する世論調査」では、この表現を「少しずつ返していくこと」と正確に理解している人はわずか一九・五％であり、それに対して「なかったことにすること」と誤解して使っている人が六十五・六％もいるという結果が明らかになっています。

このように、言葉の意味や使われ方が時代とともに変わることがあるのは、言語の生き物としての側面を示していると言えるでしょう。

【済し崩し】の意味・語源由来！表で簡単まとめ

表を使って、「済し崩し」の語源、意味、変遷、そして現代の認識に関する点をカンタンにまとめます。

項目	説明
言葉	済し崩し
語源・由来	動詞「済す（なす）」から来ており、借金を少しずつ返済するという意味を持つ
拡張された意味	物事を少しずつ片付けていく、進めていくという意味にも使われるようになった
文化庁の調査（正確な理解）	平成二十九年度の調査で「少しずつ返していくこと」と正確に理解している人は一九・五％
文化庁の調査（誤解の理解）	同調査で「なかったことにすること」と誤解して使っている人が六十五・六％
考察	言葉の意味や使われ方が時代とともに変わることがあるのは、言語の生き物としての側面を示していると考えられる