えせ【似非】の語源・由来

「似非」という言葉は、何かが本物に似ているが、実際には本物ではない、すなわち「見せかけだけの」といった意味で使われます。

この言葉の語源にはいくつかの説があり、一つには「似て非なるもの」という意味から派生したとする当て字説があります。

この当て字説では、外見や性質が似ているものの、本質的には異なるというニュアンスが込められています。

また、他にも「え為（せ）ぬ」すなわち「正しくない」という古語が短縮されて「似非」になったという説もあります。

さらには、「偽（贋）」すなわち「偽物」から派生したとする説も考えられています。

この他にも、「いせ（僻・癖）」や「おそ（鈍）」、さらには「えしもの（荒物・荒賊）」から転じたとする説も存在しています。

どの説が正しいかは明確ではありませんが、これらの諸説を通じて「似非」が何らかの形で「本物でないこと」や「真実でないこと」を示す言葉として用いられるようになったことは確かです。

このような多様な説が存在すること自体が、この言葉が持つ「本物と似ているが、それでない」という曖昧性や多面性を象徴しているとも言えるでしょう。

えせ【似非】の意味・語源由来！表で簡単まとめ

表を使って、「似非」の言葉の基本的な意味、語源に関する諸説、確定性、そしてその象徴性についてカンタンにまとめます。

項目	説明
基本的な意味	「似非」は何かが本物に似ているが、実際には本物ではない、すなわち「見せかけだけの」といった意味で使われます。
当て字説	「似て非なるもの」という意味から派生したとする説。外見や性質が似ているが、本質的には異なるというニュアンスが含まれています。
その他の説	「え為（せ）ぬ」が短縮された、「偽（贋）」から派生した、など多くの説が存在しています。
確定性	どの説が正しいかは明確ではないが、何らかの形で「本物でないこと」や「真実でないこと」を示す言葉として用いられています。
象徴性	複数の説が存在すること自体が、この言葉が持つ「本物と似ているが、それでない」という曖昧性や多面性を象徴していると言えます。