だんちょうのおもい【断腸の思い】の語源・由来

「断腸の思い」という表現は、非常に強い悲しみや苦しみを意味するものです。

この表現の背後には、古代中国の物語が関連しています。

この物語は『世説新語』という書物に収められており、中心となるのは古代中国、晋の桓温です。

彼が蜀へと進軍する際、船で三峡を通過中に、彼の従者が子猿を捕えました。

この出来事を目撃していたその子猿の母親は、その状況に非常に悲しみ、船を泣きながら追い続けました。

その距離は百余里にも及びましたが、最終的に母猿は船に飛び乗った直後、悲しみの余りにも生命を絶ってしまいます。

人々が彼女の体を検査すると、内臓が悲しみでちぎれてしまっていたことが分かったのです。

ここから、「断腸」という言葉は、内臓がちぎれるほどの極限の悲しみを象徴するものとして生まれました。

そして、「断腸の思い」という表現は、この故事に基づいて、非常に強い悲しみや苦しみを表す言葉として使われるようになったのです。

【断腸の思い】の意味・語源由来!表で簡単まとめ

語源由来の博士
表を使って、 「断腸の思い」に関する情報をカンタンにまとめます。
項目 内容
表現の意味 非常に強い悲しみや苦しみ
物語の収められた書物 『世説新語』
主人公 古代中国、晋の桓温
出来事の概要
  • 桓温の従者が子猿を捕える
  • 母猿が悲しみ、船を追い続ける
  • 母猿が船に飛び乗り、生命を絶つ
  • 母猿の内臓が悲しみでちぎれていた事が発覚
「断腸」の語源 内臓がちぎれるほどの極限の悲しみを象徴
由来の表現 「断腸の思い」

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